パーフェクトマイル 1マイル4分の壁に挑んだアスリート
1マイル走(1609m)を4分切ることはできない。
医者は自殺行為といい、エベレスト登頂、南極点到達よりも難しいとされていた。
しかし男たちは走った。限界を打ち破るために。
3人のアスリートによる4分への挑戦、アマチュアとプロ、トレーニング方法の進歩 、コーチング、潜在意識と思い込み、パーフェクトマイル(頂上決戦!)
読みどころが多すぎて楽しすぎる。限界を破りたいすべての人に最高の一冊。
陸上をやっていたが1マイル走というものがあるとは知らなかったし
1マイル走にこんなにも熱くなれるドラマがあったとは・・・
1マイル4分の壁に対する当時の世界の熱狂ぶりが凄まじい。
ボルトの100mより注目度が高かったのでは?と思ってしまう。
物語の主役はジョン・ランディ(豪)、ロジャー・バニスター(英)、ウェス・サンティー(米)の3人。 この3人の境遇や練習方法、考え方がそれぞれ違っているが、3人ともヘルシンキ五輪での雪辱から4分の壁に挑んでいるのがよい。面識のなかった3人が同時期にライバルとなり互いを意識し、誰よりも先に4分を超えようとする。
誰かがするのを見ることで、自分もできるようになる。ってのがこの本でよく言われていることだけれども、それよりもアマチュアによる挑戦が熱い。
彼らは大学生で勉学の傍ら、記録に挑んでいる。練習が深夜だったり、一日45分という短さで行われたりする。しかしその中で最大限自分を追い込んでいるのだ。
市民ランナーとして学ぶべき点が多い。忙しさは言い訳にならない。
3人ともがスポーツ、走ることは自律である。人生と競技は同じであると言っていることが印象的だ。
このタイミングでこの本に出合えたことに感謝する。
- 作者: ニールバスコム,Neal Bascomb,松本剛史
- 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
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苦痛について。
魔法が解けた。
どこまでも行けそうな、なめらかな足取りは
燃料切れの車のように反応しなくなっていた。
みるみる減速していく。
集団は遠くなり、追い抜いたランナー達が次々抜いていく。
「ここが踏ん張りどころだ!」気持ちを込めるが
重くなった足ではそうも続かない。
5分/kmを超えたとき サブスリーは無理だと思ってしまった。
可能性がないと気づいた時、身体は全く動かなくなる。
そこからレースでなくなった。
次々と追い抜かれていく中で思う。
これ以上走っていて意味があるのか?だらだら走っていても怪我するだけじゃないのか?それより練習が足りなかった?調整ミス?ペースが速すぎたんだ!巻き返せる?走れ!前のランナーについていけ!足が痛いんだ無理だ!!
走ることの最も苦痛な瞬間は間違いなくここだ。
心身共に最悪状態だからだ。
久々に味わった。攻めて走るとこうなる。だけど必要なのかもしれない。
現に練習メニューを見直している。練習のモチベーションも上がった。
挑戦には失敗がつきものだ。そこからどうするかだ。
memo
・JOG走行距離を延ばす。(最重要!)
・疲労抜き(重要!)
・4m35s/km(E)でのJOG
・3m49s/km(T)での閾値向上(20min走)ポイント練習な!
・筋トレ
・大会エントリ
ファンはシリアスへ。
趣味で走っているランナーは2種類に分けられる。
ファンランナーかシリアスランナーかだ。
今回はシリアスランナーに一度はなった方がいいという話。
自分はこれまで、シリアスランとファンランの両方を行ってきた。
部活の陸上では速くなるために、社会人のトレイルラン、マラソンは楽しむために走ってきた。
そして今はサブスリー達成のために走っている。
ファンランナーとシリアスランナーの違いは、速くなるためにトレーニングし考えることをやったかやらないかだ。
シリアスランナーのトレーニングすること、考えることは成長を飛躍的に促す。成長とは速くなることと走ることへの理解だ。
この成長は、ただ走ることをより楽しくさせる。シリアスなのに楽しいのだ。
ファンランだけでも楽しいが、それでは半分の楽しみしか味わっていない。
トレーニングと走りへの理解で得られるものは感動的なのだ。
趣味のランニング、どっちでもいいの確かだが、今はトレーニングすら楽しい。部活の時には無かった感覚だ。
ファンランナーは、一度シリアスランナーになり自分の走りと向き合ってほしい。
ここまではファンランナーに対して書いてきた。
シリアスランナーにはこの言葉を送ろう。
「走りを楽しめているか?」